【クリスマスプレゼント】あなたはいくつ案を考えていますか!?
今回は塩田守男さんの「サンタさんだよ かえるくん」をじっくり音読していきましょう。音に合わせて読むことでこんな寒い季節でも、忙しいサンタさんとかえるくんが友情温かな物語が幕を開けていきます。その中でもサンタさんはプレゼントを配りますので当然手助けしてくれる従業員がいないと一人だと厳しい所があるのです。
かえるたちはこんなにも小さく描写されています。
疑問をたくさん持って「なんで本の中身に内容を知っているの?」「なんでcameraで盗撮?」「メルアドから黄信号?」とかえるたちはサンタさんに話しかけています。おっと、いけない。もうこんな時間。少し本の中を覗いていきましょう。
サンタさんだよ かえるくん。
塩田守男・絵、さくらともこ・文
シャン シャン シャン
シャン シャン シャン
ちらちら こなゆきが
ふっています。
「いそがなくっちゃ クリスマスに まにあわないぞ」
トナカイの そりに のって、
サンタさんが もりの うえを とおりました。
「あれっ? こんな ところに うちが あるなんて しらなかった。 わしの ちずには でていないなあ。おかしいぞ」
サンタさんが したを のぞきこもうと したときです。グラーリ「わあーっ」
ドボーン「ひゃあ。つ、つめたい」
「あぁ トナカイめ! わしを おとして いってしまった。 ハ、ハ、ハ〜クション しかたがない、あそこの うちで ふくを かわかさせてもらおうと しよう」
びしょぬれの サンタさんは ちいさな ドアを そっと たたきました。
トン トン
うちの なかに はいると 七ひきの かえるたちが きもちよさそうに ねむっていました。
スースー ムニャ ムニャ
「そうか、ここは かえるたちの うちだったんだ。 いまは とうみん しているんだね」
サンタさんは かえるたちを おこさないように、
そっと だんろの ひを もやして、からだを
あたためました。
「ふあ〜ん、ポカポカ してきたぞ。ふわわわわぁ〜」
サンタさんは いい きもちに なって、
いい ねむりを はじめました。
「ねえ、このひと だれ」
「しらないよ」
へやが あたたかくなったので はるだと おもって、かえるたちが おきてきました。
「ながい ひげだね。 ちょっと ひっぱって みようかな」
「いたたっ」
にぎやかな こえに サンタさんは めを さましました。
「おじさん だあれ?なに してるの?」
「だまって はいって ごめんよ。 わしは、 サンタクロース」
「サンタクロースさんって なにを するひと?」
「しらないのかい!?せかいじゅうの こどもに……」
そのとき、 サンタさんの とけいが ジリリリリ〜と なりました。
「やや、こりゃ たいへん。いそがなくっちゃ」
サンタさんは あわてて ふくを きました。
でも、ふくろが やぶれています。
「はて、こまったぞ」
すると
「サンタさん、だいじょうぶだよ。ぼくたちが なおしてあげる。まかせて まかせて!?」と かえるたちは せんたくばさみや テープを もってきました。
「おじさ~ん。できたけど……でも あの~ その〜 ちょっと かっこうが わるいみたい」
「うーむ。ちょっとねぇ」
サンタさんも かんがえこんでしまいました。
「そうだ。うさぎの ようふくやさんに たのんで
ぬってもらったら?」
「あのね、ぼくたちの ようふくを つくってくれた おじさんだよ。もりの むこうに すんでるんだ」
かえるたちは サンタさんを うさぎの おじさんの うちまで つれていってあげることに しました。
「そとは さむいから、みんな わしの ふくへ
おはいり」
かえるたちは、おおきくて あったかくて やさしい サンタさんの、ふくの なかに もぐりこみました。
「うさぎさんの うちは あっち あっち。
そこを まがって……」
「あそこだよ」
「ごめんくださーい。うさぎの おじさん、いますか」
かえるたちの こえに うさぎさんが とびだしてきました。
「どうしたの!?ねてるとばかり おもっていたのに……。あっ あれ!? あなたは……」
うさぎさんは サンタさんを みて びっくり ぎょうてん。
「おじさん。この ふくろを ぬってあげてよ」
「はい。はい、おやすいごよう。いやあ~。でも まさか ほんものの サンタさんが くるなんて……」
うさぎさんは、せっせと ぬいながら、ひとりごとを いいました。
(サンタさんが きてくれたのなら、 わたしからの プレゼントは いらないかな。 でも サンタさん、かえるくんたちの プレゼント あるのかなあ」
「わあい、できた。このほうが すてきだね」
「たすかりました。ありがとう、うさぎさん」
サンタさんは おれいを いって でかけようと
しました。
「おっと、サンタさん。そのままでは、おしりが
かぜを ひきますよ。」
うさぎさんは ズボンも じょうずに ぬいました。
「いやいや すみませんなあ」
シャン シャン シャン
トナカイたちが やっと もどってきたようです。
「おれいに かえるくんたちを うちまで おくっていこう」
「えっ、そらを とぶの!すごいなあ」
うさぎの おじさんも ふくろを かついできて
いいました。
「わたしも のせてくれませんか」
「ケロ ケロ ケロッホ。わーい わい」
かえるたちの げんきな こえが そらいっぱいに ひろがりました。
「ほーい、かえるくん ついたよ」
かえるたちは いつのまにか また ぐっすりと
ねむりこんでいました。
「おやおや……。 うさぎさん このこたちを たのみますよ」
「サンタさんも きを つけて」
シャン シャン シャン シャン シャン
サンタさんを のせた そりは
だんだん ちいさくなっていきました。
さあ、かえるくんたちは また とうみんだね」と うさぎさんが いったときです、
サンタさんの そりが もどってきました。
「あれ!? わすれものかな」
すると、そらから ひとつ、ふたつ、みっつ…… ななつの プレゼントが まいおりてきました。
「やっぱり、サンタさんだ!?サンタさーん、ありがとーう。メリー メリー クリスマス」
ちらちら ゆきの ふる よるに
サンタさんから プレゼント
サンタさんから プレゼント
すてきな すてきな おくりもの
いったい なにを もらったの
リンリン シャララン クリスマス(終)
・さむがりやのサンタ
イギリスではファーザクリスマスといい、赤色の服を着ています。欧米諸国のサンタさんはホゥ ホゥ ホゥと笑い声をあげることがあります。ホゥホゥホゥメリークリスマス!となんか聞き覚えがありますよね。